2006年05月20日

寸劇

舞台の上
セリフが出てこない
私のセリフは何だったろうか?
思い出せない 完璧に覚えたはずなのに
薄白く奇怪なライトの光が突き刺さる
痛い
ああ はやく何か言わないといけない
私のセリフは何だったろうか?
思い出せない
・・・いや そもそもセリフなどあったろうか
そう思うと セリフなどなかったような気がしてきた
そうだ セリフなどない
ではもう舞台にいる必要などないではないか
降りよう 外に出よう


外に出た
鳥たちがうたっている 届かぬ空がまぶしい
白い日傘が歩いている
太陽の光が反射して 目に流れ込む
痛い
耳の中では何かが鳴っている
短い旋律がぐるぐるとまわりつづける
こうして立っていると 夢幻の中に吸い込まれるようだ
日傘がこちらに歩み寄り 私にたずねた
「私は何処へ行けば良かったでしょうか?」
「ゆきたい場所がおありなのですか?」
「・・・探している場所があるはずなのです。でも、わからないのです。」
そう言うと 日傘はいなくなった
取り残された私は ひどく退屈になったようだった
そしてそれが怖くなった
まるで 幼いころに感じた母がいない夜の
漠然とした不安の再来


気付いたら 私の足は舞台にあった
セリフを思い出した――――・・・

『どうあがいても、絶望。只、それだけであります。』

そして 拍手 拍手 拍手

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posted by イオ at 17:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 自作痛ポエム | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
イオさん、あんな変なブログに遊びに来てくれてありがとね♪

おいら、この詩にちょっと似た夢を見ることあるよ。
おいらバンドやってるからそんなの見るんだけど・・・
ステージに立って曲が始まっても全然曲が思い出せないの。
でも、おいらがひとつも音出せてないのに
何事もないように曲は進んで行くの!
おいらはただ棒立ちになってるだけ ( ̄- ̄;)

たまに同じ夢みるけど、これはかなり怖いです(笑)
Posted by モンコ at 2006年05月21日 00:41
モンコさま>・・なるほど・・。
ステージに立っていて、曲が思い出せない・・ですか。怖い夢ですね(^^:)
たしかにこの詩によく似ていますね。不思議ー!
それにしても、ステージとか舞台とかって、すごく特殊な空間ですよね・・。
私は全然舞台やステージに立つような機会はありませんが、
たまにそういった機会があると、やっぱ緊張します。

舞台の上で、何もかも忘れた・・なんて、
実際そうなってしまったら・・と思うと
怖い怖い(-_-;)

Posted by イオ at 2006年05月21日 17:02
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