2006年08月16日

アニメ映画『風の谷のナウシカ』

ジブリレビュー第12弾は『風の谷のナウシカ』です。
この作品は厳密に言うと「ジブリ作品」ではないんですけどね。ええ。
ラピュタのレビューのときに書いたとおり、ナウシカはジブリ設立前の
作品なんです。・・・でもまあ、世間一般的にはナウシカからジブリの
歴史が始まった・・・みたいに認識されているので、
ここでもナウシカをジブリ作品として扱いたいと思います。

この『風の谷のナウシカ』は、宮崎駿さん本人の手によって描かれた漫画
が原作です。この原作漫画はアニメージュという雑誌に中断期間も含め、
1982年から1994年までの実に13年にもわたって連載された漫画です。
アニメ映画の『風の谷のナウシカ』は、
この原作本のわずか1巻から2巻途中までのストーリーを映画風に
かなりアレンジして制作されたものなんです。
ナウシカに原作本があることを知らない方ってけっこういますよね。
知っている人は絶対知っていますけどね。

・・・で、もう私はホントにほんとに本当に『風の谷のナウシカ』が
好きで好きで好きで好きで・・・・心の底からこの作品を愛しています。
と・に・か・く・・壮大な物語です。哲学です。思想です。
いやマジで原作本に至っては哲学書って言っていいと思います。
そんな状態なので、とてもとても1日では語りつくせないわけです。
はっきり言ってナウシカをテーマにして1年間ブログ書けるくらい
ナウシカは深いです・・・。
まぁ、そういう訳にもいかないので、今日はアニメ映画のナウシカを
語ろうと思います。次回原作本について語ります。ええ語りますとも。

kazenotani.JPG kazenotani2.JPG

映画『風の谷のナウシカ』は、1984年に公開された作品です。
・・・私は幼いころからナウシカを観て育ちました。
昔っから好きで、何回も何回も観ています。小学生のころに観るのと、
中学生になってから観るのとでは大きく印象が違ったのを覚えています。
さらにその後歳を重ねて観るたびに印象が違います。
それだけ深く味わいのある作品なんだと思います。

映画では、原作のストーリーに沿いながらも、原作とは異なっている
部分も多いです。なので、原作と映画はある種別モノだと思います。
原作はそれはそれは複雑で難解で深く深いものがたりなので、
おそらく映画化するにあたり、わかりやすいように、テンポ良く
ストーリーが展開するように、さらにエンターテインメント性を加える
ためにアレンジしたのだと思います。
例えば、「人間(科学技術)vs自然(蟲と腐海)」というわかりやすい
構図でものがたりを展開させている印象を受けますし、
登場する国や軍隊の数も減らされています。
そしてトルメキアのクシャナ殿下が、悪役的なかんじで描かれるに
とどまっています。(原作ではかなり優れた人物として描かれているんですっ!!)
そして「ナウシカ」も映画版ではかなり救世主的な描かれ方をしていますね。
原作では違います。原作はもっと複雑です。

そんなこんなで原作とは異なった作品として観てしまいますが、
それでもこの映画はすばらしい映画史に残る名作だと思います。
もう22年も前の作品なのに、まったく色あせない。
作画も美しく、なめらかでスピード感もあって・・・
ナウシカがメーヴェで颯爽と飛ぶシーン、王蟲の描写、崩れる巨神兵、
腐海の様子や蟲たちのデザイン・・・どれをとっても美しくって
迫力満点ですごいですよね。すごいです。・・・すごいです。

登場人物もステキです。どの人も好きです。
ナウシカには幼い頃すっごく憧れました。ナウシカになりたいと思ってました(笑)
そうそう・・・ナウシカがつけているピアスにかなり憧れて、
「大きくなったらピアスあけてナウシカと同じようなのするんだい!」
とか思っていました(笑)実際、大きくなってピアスあけましたが、
ナウシカがつけているようなデザインのピアスで普段使えそうなのって、
ありそうでないんですよねー。自分で石買って作ろうかな・・・笑。
あとテトが好きです・・・笑。ナウシカの肩に乗っているカワイイ奴です。
ラピュタにも出てきましたよねvかわいい・・・。
幼い頃は実際にこういう動物が存在するんだと思っていました(笑)
飼いたいよ~。テトォ~~(萌)
そんな感じでナウシカ大好きですが、今はクシャナのほうが好きです。
クシャナかっこいいーーーーーー!!!!!殿下バンザイ!!!
映画版でも十分かっこいいですが、原作ではもう惚れちゃいますよ。
原作ではクシャナ殿下はかなりすぐれた慈悲深い、
理想的な王として描かれています。ステキです。泣けます。

81821586_161.jpg nausika.jpg

ストーリー展開も映画らしくて良い感じですよねv
クライマックスへとむかってストーリーが進む様子は観ていて爽快です。
そして感動します。たまにナウシカの心の声とか、心の映像が流れるので、
原作を深く読んでいないとちょっとわかりづらい箇所がありますが、
結果として映画全体に良い雰囲気と深みを与えているんじゃないかな、
と思っています。「心の中の映像」で私が特に好きなシーンは、
トルメキアに捕えられたナウシカがコルベットに乗って移動している時に、
ペジテのアスベルがひとりで攻撃してきて、それをナウシカが
「やめてぇーー!!」って叫ぶシーンです。ほんの一瞬のシーンです。
あと、ナウシカがアスベルと共に腐海の底に落ちて気絶したときに、
ナウシカが自身の幼い頃の記憶を夢に見るのですが、
このシーンすっごく好きです。駿さんの鉛筆と水彩のタッチを
そのまま映像化したような実に美しいシーンです。

そしてやはり久石さんの音楽がすばらしい・・・・。
どの曲も独特でいて美しく、ナウシカの世界観にぴったりです。
「ラン・ランララ・ラン・ラン・ラン」っていう歌は有名ですよね。
この女の子の声、当時4歳だった久石さんのお嬢さんが歌っているらしいですよ。
あとラストに流れる「鳥の人」はもう・・・カンドーです。泣きますね。

そうそう。ナウシカ初心者(笑)の方は、ナウシカがペジテの飛行船から
飛び立つ時にはピンクっぽい赤い服を着ているのに、
いつのまにか青い服に変わっているのは何故?って聞いてくるんですよね。
これはね、よーく観ているとわかるのですが、子ども王蟲がおとりにされて
運ばれているのを酸の湖のほとりでナウシカが止めますよね。
そこでナウシカは子ども王蟲に寄り添って、子ども王蟲の青い体液を
浴びまくっているのです。その体液が服に染み込んで、
ピンクっぽい赤い服→深い青い色の服
になるんです。これはかなり重要な意味を持つんです。
特に原作においては「王蟲の体液で染まった青い服」っていうのが
本当に重要な基本設定になっています。

そんなこんなで語りだすと止まらなくなっちゃいますが・・・
とにかく映画『風の谷のナウシカ』が伝えたかったことは・・・
「自然を大切に」だと解釈して良いと思います。
いや本当はもっともっともっともっともっと深いものがたりなのですが、
原作とは別モノだし、映画で一般の観客に伝わるのはおそらく
「いたわりと友愛を大切に。自然を大切に。私たちは自然の一部なんだからね。」
っていう思想だと思います。

この作品が持つ意味は、年月が経てば経つほど世界にずーんと響くでしょうね。
1984年から22年経っていますが、我々はこの作品の意図に反して
どんどん世界をめちゃくちゃにしていますからねぇ。
人間自身もめちゃくちゃになっているよね。
はっきり言って、「火の7日間」が来るのはそう遠くない現実だと思います。

ナウシカのような世界が来るよ。いつか必ず。

posted by イオ at 14:48| Comment(0) | TrackBack(0) | スタジオジブリ関連 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック