2015年08月22日

ヘンリーダーガー氏について考える

ヘンリー・ダーガー非現実の王国でチラシ.jpgヘンリー・ダーガー非現実の王国でチラシ2.jpg

先日ご紹介したヘンリー・ダーガーについてですが…
もう少し彼について考えてみました。

実はダーガー氏の作品と人生を紹介するドキュメンタリー映画が過去に公開されていて、
そのときのチラシが本棚から出てきたのでスキャンしてみました。

ダーガー氏はなぜこのような性格…つまり、
病院の清掃人兼皿洗いという底辺の仕事をしながら、
それ以外はほぼ一切人と関わらず、ひたすら60年間も自分のためだけに
手の込んだ絵と小説を創作し続けるような人間になったのか…?
という部分が気になります。

おそらく、というかほぼ確実に、幼少期の環境に原因があると思います。
母親は女児を出産した際の感染症で35歳で亡くなり、
その女児…つまりダーガー氏の妹はすぐに養子に出されており、
この妹とはそこで生き別れになるわけですが、
このことはダーガー氏にとってとてもショックだったようです。
また、父親は高齢で、なんやかんやでダーガー氏は幼いころから
施設に預けられることになってしまいます。
知能には何の問題も無かったようですが、、感情障害のような傾向があったようで、
そのために知的障害児を収容する施設に入れられてしまいます。
そこで多感な少年時代を過ごさなければならなかったという…。
そこで精神が屈折してしまったのではないでしょうか。
そして17歳のときに施設から脱走し、前述のとおり
病院の清掃人兼皿洗いという底辺の仕事をし始めるわけです。
その後転々と同じような職に就きながら、
絵と小説の創作活動をひっそりと行っていたというわけです。

やはり幼少期や多感な時期に抑圧されてしまうと、
その後の人生に多大な影響を及ぼしてしまうようですね。
これはダーガー氏に限ったことではなく
古今東西男女関係なくそうなってしまうように感じます。

ヘンリー・ダーガー男の娘.jpg
また、ダーガー氏の絵についてですが、
色々突っ込みどころ満載で興味深い絵ばかりではありますが、
とても気になるのが「少女にペニスが生えている」という点です。

これは…ジャパニーズキモオタ的な見地に立って考えると、
「ふたなり」「男の娘」……という雰囲気がします。
この「少女にペニスが付いている」という現象については、
色んな人間が色々と憶測で分析しています。

ダーガーは生涯童貞だったから女の体を見たことがなかったからではないか…とか、
ダーガーは同性愛者だったのでは…とか。

正直どちらも違うと思うんですよね。
いくらなんでも女の体の構造を全く知らなかったとは思えません。
画集の解説にも、子供たちが惨殺されて内臓が飛び出ている描写を受けて、
「循環器系や腎臓、大小臓器について正確に知っていながら、
女性器がどうなっているかを知らないなんてありえないのではあるまいか。」
と書かれています。私もそう思いますね。

また、同性愛者ってのもちょっと違うように感じます…完全否定はできませんが。
おそらくダーガー氏は、生身の人間(特に大人)には
性的な感覚を抱けないタイプの人間だったのではないのかと…
あくまで憶測ですが、なんとなくそういった雰囲気を感じます。

なのでペニスがくっついているのは、
ある種の自己投影というか、少女に自分を重ねやすいように
無意識的にくっつけてしまったのではないかな…なんて思います。

ダーガー氏の小説は「ヴィヴィアン・ガールズ」という女の子たちが
なんやかんやすごいスペクタクルな展開を切り抜けていくという内容なのですが…
その描写がまた生々しくて…まるで本当に見てきたかのような描写なんです。
ダーガー氏のものすごい想像力を感じさせられます。

絵や小説の内容についてはググると色々出てきますので…
ご興味のある方はググってみてください。
鮮やかで色とりどりの絵は…ほんとに変な迫力があって夢に出てきそうです。

それにしても、どうしてこんなにでかいサイズで描いたのだろうか。
ペニス付き少女よりもそっちのほうが謎です。
小さい絵もたくさん描いているんでしょうけど…3メートルを超える長さって…なぜなの。
なぜお金をかけてまで写真を引き伸ばして大きくしたかったの…?
やはり大きくて長~い絵に囲まれている方が、その世界に入り込みやすいからでしょうか。
よりリアルに自分が「非現実の王国」の住人になれるからでしょうか…。

すごいエネルギーだよ。
いやほんとに。

↓では最後に映画の予告編を…。


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