2016年09月13日

邦画がつまらないのはなぜか…色々な人のサイトを読んでみるとその理由がわかったような気がする。

なんとなく…ぼんやりと、「このブログって始めの頃は映画の感想をたくさん書いてたな…」
と思い出しました。ドヤ顔で稚拙なレビューを長々と書いて…今考えると本当に恥ずかしいです。
ここ数年はあまり映画の感想を書いてませんが、映画鑑賞は継続しております…。
結構観てます。ただし…ネットでね。映画館には久しく行っていませんし、
DVDを借りることもめったにありません。時代の流れですな。

そして色々な映画を観れば見るほど、

なぜ、邦画ってこんなにつまらないんだろう。

と思う気持ちが年々強くなっております。
邦画ファンには申し訳ないのですが、現在の日本の映画界はヤバいと思いますよ。
言っておきますが、ハリウッド映画を絶賛する訳ではありません。
ピストルバンバン撃ち合って、爆発したり飛んだり3Dで飛び出したりする映画が
素晴らしいのかと言うと、そうではありません。ハリウッドの真の素晴らしさは
『天使にラブ・ソングを…(原題: Sister Act)』と言ったような作品にあらわれていると思います。
ああいった作品が、まさに映画の理想だと思います。

また、古い映画ですがマリリン・モンローが出ている『お熱いのがお好き』
と言う映画も、個人的に大変素晴らしい映画だと思っています。
女装モノのドタバタラブコメディで、テンポも良く、すごく良くできた脚本で…
「ああ、映画ってのはこうあるべきものなんだなぁ」と感じさせられる作品です。
特に、ラストシーンが大好きです。
映画史に残るラストシーンとして有名なのは『第三の男』と言われているようですが、
個人的には『お熱いのがお好き』の畳みかけるようなテンポの良い、
コミカルな終わり方が実に爽快愉快で大好きです。
↓こちらがそのラストシーンです。
お熱いのがお好き_ラストシーン.jpg

話を戻しますが、邦画の末期的状態については
以前からとても気になっていたので、いい機会なので書いてみようと思います。
ちなみに、「邦画」の中にはアニメは含めないこととします。
毎度のことながら、とっても記事が長いです。

「邦画 つまらない」などのワードで検索すると色々な人の意見が出てきます。
その中でもトップページに出てくる落語家の方の意見がですね、
私の言いたいこととほぼ同意見でしたので、一部を抜粋させて頂きます。
※青字が抜粋部分です。

なぜ、日本映画はダメなのか?
http://enjoo.com/rakugo/old/rakugo/ra_eiga_01.html

世の中に純粋芸術ほど下らないものはない。
なぜならそこに娯楽が入っていないからだ。
芸術と娯楽が混じってこそおもしろいのだ。映画もまず娯楽が基本だと思う。
能書きがありすぎるヨーロッパ映画は辛気くさくて嫌いだ。
だからカンヌ映画祭なんてなんぼのもんじゃい。
商売でアメリカにかなわない者同士が集まった「タニシの歯ぎしり映画祭」
としか思えない。そして日本映画は、アメリカにもヨーロッパにも、
韓国映画にも太刀打ち出来ない。情けない映画になってる。
では日本映画のどこがダメなのか?

■日本映画のここがダメ1・下手過ぎ!光りと影の使い方
物がなぜ立体的に見えるのか?それは光りと影があるからだ。
洋画は、この光りと影の使い方がうまい。
ところが日本映画は正直情けないベタ照明で光りと影がからっ下手。

これ…すごく納得しました。
長年抱き続けてきた邦画に対するモヤモヤ感がやっとわかりました。
立体感や画面の緊迫感、深みがないんですよ。
昔の、フィルム撮影だった時代の時代劇は、陰影が濃くてカッコよく、
深みも趣もあり迫力もありました。それがデジタル撮影になってダメになりました。
それと同じような印象を現在の邦画全体から感じます。
「フィルム撮影に戻るべき!」と言いたいのではなく、
せめて昔の時代劇くらいの陰影の濃さ(?)や味わい(?)のようなものを
取り戻してほしいと思うのです。まぁ言うのは簡単ですが、実行するのは難しいですよね。
「日本人は2D(二次元)は素晴らしいのに3D(三次元)は下手」ってどっかで聞いたんですが、
まさにその通りだと思いますね…。文化的背景の違いがあるんでしょうね。
昔の時代劇_フィルム撮影_水戸黄門.jpg

昔の時代劇_フィルム撮影_水戸黄門2.jpg
↑参考までに…昔の時代劇のキャプチャです。
ただ画面が暗いだけ…?のようにも感じますが、やっぱり現代には無い味わいがあると思うのです。

■日本映画のここがダメ2・ドン引きカットが多すぎる
日本映画は予算の関係だろうか、カット数が少なすぎ。
良く見かけるのが全体を入れ込んだシーンだね。
もうコンビニの監視カメラじゃないつうんだ。ひどいもんだね。
ダイナミックさ、動きがゼロ!おもしろくもなんともない。

たしかに…言われてみればそうかもしれません。
洋画に比べ、邦画はテンポが悪いと感じるのもこのせいかもしれません。

■日本映画のここがダメ3・絶叫と独り言のダメ演技
日本映画の役者の演技って最悪!もう絶叫するか独り言みたいにボソボソ。
まず感情表現がキチンとできる役者を使って欲しいねえ。
監督も役者もまず人間を知ってから映画を作って欲しい。これがまず最低ラインだよ。


同感です……。
映画に出るような日本の役者ってのは…ほんとにもう…演技が青臭いというか…
わざとらしいというか…うんざりです。モデル上がりの美男美女が出てきて、
美男美女役をやって、くっさい演技して…噴飯モノですよ。
きちんと各劇団からオーディションでイチから配役を決めろよと言いたい。
もちろん、興行収入とか色々と大人の事情があるから、
集客のできる力のある有名人や人気のアイドルなどを起用したい気持ちはわかりますが、
そんなことばっかやってるから、どんどんどんどんダメになっていくんですよ。

■日本映画のここがダメ4・日本のスタイリストはホントに映画を良くしてるのか?
映画にリアリティは必要だよね。ところが日本映画のスタイリストは、
きれい好き。個人的にきれい好きなら良いんだけど。
登場人物の着てる物もきれいにアイロンを掛けして、きれいにしてしまう。
襟垢のべっとり付いた臭い着物の百姓も、すっかり小奇麗に小サッパリした
百姓になってしまう。江戸時代にそんな奇麗事の百姓がいるかよ!になってしまう。
映画がスタイリストたちによってドンドン絵空事のウソ映画になって行く。

激しく同意です。きれいすぎるんですよ。
もちろん小汚い作品ばっかりだったらいやだけれども、
「ここは少々汚い方がリアリティが出るのでは…?」
と思う部分まで綺麗にしすぎているように感じます。
ただでさえ、陰影のないのっぺりした画面なのに、
衣装や化粧がきっちりしすぎていると、ますます安っぽい画面になってしまいます。

■日本映画のここがダメ5・ 監督、脚本家にホントーに才能があるのか?
日本映画ってバカみたいに軽すぎるか、意味もなく暗過ぎるかのどちらか。
しかも映像には動きがない。リズムがない、分かりづらい、
で結局なにが言いたいんだ?早い話が才能のない小津安二郎もどき、
無能な黒沢明もどきが映画を創っているようだ。
元々、日本映画は何を狙っているのか?娯楽映画なのか?
芸術映画なのか、AV映画なのか、なんなのか?サッパリ分からん。
しかも娯楽映画だと単なるおふざけゴッコ。ひとりよがりで幼稚!
もちろん、すばらしい日本映画だってある。だが100本に1本もあるのか?それが問題だ。

ほんとにその通りだと思います。
特に「日本映画ってバカみたいに軽すぎるか、意味もなく暗過ぎるかのどちらか」
というのにはすごく納得させられます。
漫画が原作だったり、娯楽目的で作られたものは、
ものすごく軽い作りになってしまって、ちゃっちい作品ばかり…。
かと思えば『誰も知らない』『それでも僕はやってない』のような、
暗~い、社会に対する問題提起を鑑賞者にダイレクトに押し付けるような作品も多い。
もう少し描き方を工夫しろよと言いたいくらい暗い。

また、個人的に思うのはですね…日本はホラー及び悪趣味系の映画も多いですよね。
まぁ、他国にどれほどあるのか厳密に統計を取ったわけでは無いのでわかりませんが、
なんというかねぇ…そういうのもどうかと思いますよ。
『グロテスク』というよくわからないホラー映画(邦画です)があるのですが、
なんで作ったんだかよくわからないような映画でした。
変なキチガイ男が男女をさらって、しばりつけて拷問していく映画なんですけど、
いったい何がしたいのかわからないうえ、たいした迫力もありませんでした。
オランダ映画の『ムカデ人間』の方がまだマシでしたよ。

また、数年前には、色々な意味で批判された『先生を流産させる会』という映画もありました。
これは、実際に起きた事件をもとに脚色して制作された映画で、
加害者の性別を男子から女子へ改変して制作したことに批判が集中しました。
本当は男子生徒が徒党を組んで女性教師に陰湿な行為をした事件なのに、
それを「男子⇒女子」に改悪して女性同士の対立にしてしまったんですね。
監督いわく「男子がやったんじゃ“ただのいたずら”で終わってしまう。
それじゃ面白くないし、深いところまで迫れないから女子に変えた」と言うことだそうです。

…まぁ正直どうかと思いますよね。
実際の事件からまだ数年しかたってないのに映画化する無神経さと、
加害者が男子のままでも、思春期の少年の心の闇とかを掘り下げたり効果的な描き方をすれば、
いくらでも深みのある面白い作品は作れたはずなのに、その努力をせず、
結果的に安易に女性同士の対立に持って行ってしまう無能さ。批判されて当然です。
映画の出来が良かろうが悪かろうが関係ありません。
監督は生命倫理とかその辺のことを描きたかったようですが、
だったらイチから自分で物語を書いて映画化してほしかったです。

実際の事件では、男子たちの蛮行を見るに見かねた女子生徒が、
他の先生に通報・相談して事件が発覚したそうです。
映画化の話を聞いたとき、被害に遭った女性教師や、
救済にあたった女子生徒はどう思ったでしょうか?
そういった最低限の想像力と言うか…倫理観すらないとなると、
時代から取り残されてしまうのではないでしょうか。

ホラーやサブカル系悪趣味映画に多いんですよネ…
こういう「女は怖い」的な雰囲気や、制作者側の潜在的な「女ぎらい」や、
「女性への畏怖が一周回って恐怖に変わる」「女こえー」という
何とも言えない独特な雰囲気が色濃く反映されている作品…。
幽霊なんかもほとんど女の人でしょ。貞子とか。カヤコとか。

そういった作品が存在していること自体は別に良いんですよ。表現の自由です。
私もそういうのを観るのが好きだった時期もありました。
しかし…なんというかねぇ、まぁうまく言えないんですけど、
そういうのばっかりだと、どうかと思う部分も大きいわけです。

結局、男が人を殺しても、男同士でリンチしてても、男子同士でいじめやってても、
「男は元々争い合うもんだから面白みがない、創作の余地がない」と思うのかもしれません。
現実社会では女同士で傷つけ合うよりも、男が女を傷つけたり、
男同士で殺し合ったりリンチしたりする事件のほうが多いのにさぁ…。

リンチと言えば…先ほどのサイトの方がページの後半で、

個人的に一番嫌いなのが強姦シーン!あんなに見たくない。
それに洋画には強姦シーンなんてないぞ。いまだに堂々と強姦シーンを
撮り続ける日本映画関係者の感覚はなんなんだ?時代が全く読めてない。
それになぜ映倫は強姦シーンを禁止しないのか?不思議でしょうがない。
見ていて実に不愉快だ。とにかく日本映画は、
リンチ・シーンとか、暴力シーンが多すぎる。

…と書かれていますが、その通りだと思います。
浅野忠信主演の『殺し屋イチ』というのもまぁ凄かったですよ。
「そういった作品は制作するな!排除しろ!」とは言いませんけども、
まぁ、なんというか…日本ってホント良い意味でも悪い意味でもおかしな国です。

ちょっと話が脱線してしまいました。申し訳ない…。
しかも、一部の超マイナーな映画を取り上げて語ってもあまり意味を成しませんね。スミマセン。
まぁ…兎にも角にも、そんなこんなで、色々な人の意見を読んでいたら、
邦画がダメになった理由が少しわかったような気がしました。

↓こちらのサイトもわかりやすかったです。
邦画がつまらないのはなぜか?

↓また、教えてgoo!にはこんな裏事情?も書かれていました。
邦画がどうしても楽しめない理由とは

翻訳家の戸田奈津子さんは・・・
「日本では脚本家への報酬が、少なすぎる。
アメリカではそこそこヒットした作品を1本手掛けただけで一生食べていける。
日本では、作品の準備に1年かかってももらえる報酬は数十万円。」と言っていました。


こういった報酬不足、予算不足、スポンサー不足なども
邦画がダメな理由なのかもしれません。
となると、もはや個々人の努力やヤル気ではどうにもならないですね。

このままじゃ日本の映画はどんどん衰退するでしょう。
まぁ、邦画だけでなく洋画も不振になっているようですけどね…。
映画自体がオワコン化してきて「映画離れ」とか「映画館離れ」と言われてます。

映画離れ・映画館離れの理由は、色々あるとは思いますが
おおむね下記のような感じでしょうね。

①料金が高い。
②テレビが高画質・大画面化しているので、自宅鑑賞で十分楽しめる。
③ネットの配信サービスで満足。
④映画以外にも娯楽がたくさんある。
⑤観たい映画がない。
⑥「休日に家族やカップルで映画を観に行く」という風習が薄れている。
⑦昔の名作を鑑賞したほうが面白い。

映画だけでなく、あらゆるエンターテインメントが
転換期を迎えなければならない時代なのかもしれません。

なんだか…長々と脱線してしまいました。

すみません。。この辺で終わりにしますm(__)m

この記事へのコメント
日本の俳優について。

個人的にはアイドル俳優よりも日本映画を悪くしてるのは
ベテラン俳優だったり、日本で上手いといわれる俳優じゃないかな?と思ったりしてます。

演技がオーバーな俳優ってハリウッドなどではあまりみません。
しかし、日本は演技がオーバーで個性的な俳優が「うまい」といつのまにか思われている節があると思います。

三谷幸喜、クドカンなどの脚本家が人気で始めた頃だと思います。
舞台の演技をTVに持ってきた人達ですね。

兼ねてから思っていたのは日本の映画は舞台化してるんですよ。
ドラマもそうですね。

堺雅人、三谷幸喜ファミリーの俳優たち
どれも舞台上がりで個性的な演技しますよね。

最初はそれが新鮮だったのですが
よくよく海外のと見比べて見るとどうしても安っぽく見えてしまします。

日本で上手いとされてる俳優は本当に上手いのか?
舞台ではそれでも良いかもしれないけど、TVや映画には向かないのではないか。

三谷幸喜、クドカンなどが日本で影響を持ちすぎたのも原因かと思います。
Posted by at 2017年09月16日 14:29
日本の俳優はハキハキ丁寧に喋る。けどそんな人現実に見たことない。リアルさが圧倒的に足りない。でもそんなの沢山抱えてる問題の一つに過ぎない。ゼロからスタートしてくんねえかな日本の映画業界。おめえらは今概ね終わってる。
Posted by at 2017年09月22日 03:39
映画関係者です

役者の演技がうまくないのは役者によると思いますが、演技をうまく見せるのも監督や演出家、編集者の技量です。なので全部連帯責任だと思っています。

あとはやはり冒険できない日本人な気質の親会社、また視聴者のレベルの低さも同罪だと思います。

とにかく映画を見る人達の質が下がりまくっててそれらに受ける映画しか作らなくなった映画会社もダメですが、それら全てが悪循環で脚本、撮影技術、演出等の業界全体のレベルも今ではかなり低いです。

海外の映画関係者の友人によく言われるのが日本は良いカメラを作る技術はすごいのに使いこなす技術はない...と。悲しいですね。当たってます。

とにかく今言いたいのはコスプレ映画、芸能人の学芸会映画、テレビドラマの延長映画はもうやめにしてほしいです。

またそれらをみないで大コケさせて目を覚まさせるのも視聴者の役目です。
Posted by at 2018年04月03日 01:57
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