2006年11月03日

ある秋の日

木枯らしのなか
ひとり
ひとがいました
そのひとは
カラカラにかわいていました
こころのしずくを失って
ひび割れて
吹きすさぶ風にさらわれて
そのからだは
はらはらと消えてゆきます

「・・・水を、差し上げましょうか?」
「いいえ・・・いいえ。もう手遅れなのです。・・・ありがとう。」

そのとき
いっそう強い風が吹き荒れて
そのひとは
消えてしまいました

あとには
わたしだけが・・・残りました

わたしだけが わたしだけが わたしだけが


ひとり

残りました 残りました 残りました



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posted by イオ at 19:36| Comment(3) | TrackBack(0) | 自作痛ポエム | 更新情報をチェックする

2006年09月11日

Daybreak

残酷な夜が過ぎ去り
激痛をともなう朝がやって来た
永遠の旅路にはまだ遠くて
現実が容赦なく私を叱責する

変わろうとしても変われなくて
世界も終わりそうでなかなか終わらない
どこへ行けば良いのかもわからず
ただうずくまってじっとしているしかない

それでも闇と絶望が追ってくる


どんよりとした重い空の日も
晴れわたった青空の日も
いつも私の心は変わらず
・・・生きたまま死んでいる

うつろな心はもはや諦念につつまれて

長い沈黙と共に


・・・世界の覚醒を望む
・・・新しい夜明けと共に

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posted by イオ at 07:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 自作痛ポエム | 更新情報をチェックする

2006年08月21日

無題

哀しかった
ただ 無意味に哀しかった
どうしようもなかった
誰もいなかった

寂しかった
ただ 無意味に寂しかった
どうかしていた
何もなかった

報われないことは
はじめから嫌というほど分かっていた


痛かった
ただ 無意味に痛かった
どうにもならなかった
何処にもなかった


それは心地よい激痛だった

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posted by イオ at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 自作痛ポエム | 更新情報をチェックする
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