2006年08月17日

原作本『風の谷のナウシカ』

ジブリレビュー第12弾の続きです。
今日は原作漫画の『風の谷のナウシカ』について語りますぜよ。
この原作漫画はアニメージュで1982年から1994年まで
掲載された作品です。とにかく壮大なストーリーが展開されており、
様々な人によって読まれ、読み解かれ、考察され、研究されている物語です。
コアなファンが多く、10代の若者から年輩の専門家に至るまで・・・
そのファン層はかなり幅広いものになっているみたいですよ。ええ。

nausikagennsaku.JPG
↑これが原作本です。徳間書店から全7巻まで出ています。
愛蔵版みたいなのもあるみたいです。

・・・とにかくこの本は・・・すごんですよ・・・。
私のような者が語るなんておそれ多い作品です。でも語りますけどね(笑)
まずあらすじ・・・あらすじ・・・って言っても・・・
あの壮大な作品を私の文章力で簡潔にまとめるなんて出来ない・・・。
なので、ネットの百科事典Wikipediaから文章を拝借してきました。

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漫画の全7巻分のうち、映画版ナウシカに対応するのは
その1巻目から2巻目の途中までに過ぎず、内容もかなり異なる。
最大の違いは、大国トルメキアと対立する土鬼諸侯連合(ドルク)が
映画には登場しない点である。大国同士の不毛な戦争に主人公たちや
さまざまな立場の民族が巻き込まれ、人間が飽きることなく滅びの道を
歩むストーリーが漫画の骨子であり、これの無い映画版は全くの別もの
と見ることもできる。また映画版では主人公が
救世主的キャラクターとして描かれるが、漫画版では救世主であること
を否定する展開を見せ、物語の結末では
前文明が残した「救世のシステム」を破壊するという驚くべき選択を
おこなった。連載終了後、主人公ナウシカの最後の行動の
是非を巡る議論がおこり、今に至るも決着を見ていない。
このように、物語後半で自然と科学技術という単純な二項対立の構図が
変化するなど、物語のテーマが大きく変わっていった背景には、
ソ連崩壊に伴う東西冷戦終結など実際の時代背景が
大きく変化していった影響が大きいことを宮崎本人が
当時のインタビューで明かしている。

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・・・・こんな感じです。はい。
いやいやこれだけじゃまだまだ説明不足ですが、全部こまかく説明なんて
したらそれこそ1年はかかります。
なので一体どうやってこの作品を語っていいものやら・・・。
とりあえず私が言いたいことをバーっと書きます。

kusyana.JPG nausikahitori.JPG

この原作本に出会ったのは中学生のときでした。
買って以来何回も何回も読んでいますが、未だに読み解けていません。
でもやはり歳を重ね、読み返すごとに徐々に理解してきましたけどね。
初めて読んだときの率直な感想は、
「へ!?あの映画版ナウシカの後にこんな壮大な物語が続いていたのかよ!!」
って感じでした。そして「む・・・難しいなコレ・・」とも思いました。
原作ではより深くナウシカの生い立ちやその心情が描かれ、
腐海や蟲たちが担っているもの、世界の秘密、自分たち人間の残酷な真実
などが克明に描きあげられています。
でもってこの漫画は、「ペンと紙だけで描きました!!」っていうかんじの
漫画なんです。トーンなどはほとんど使わず、陰影もペンで付けていて、
相当な画力がないと描けない漫画です。・・・っていうか、
宮崎駿さんってすごい画力の持ち主ですよね。人物の動きとか、
建造物や飛行船の描きかたなどが秀逸しています。そこで気になったので、
宮崎駿さんの学歴を調べてみたら、学習院大学政経学部出身だそうです。
・・・全然絵と関係ないのね(笑)

そしてこの原作はかなりグロいシーンがたくさんあります。
『ゲド戦記』のグロいシーンはきっとナウシカの原作から拝借した描写
なのかな・・・って思わされます。
さらに、クシャナが原作のなかで蟲に殺されそうになったとき、
「お前が私の死か」<4巻83p>って言うんです。
これって、『ゲド戦記』でアレンが一番最初に発するセリフとほぼ同じなんです。
これは偶然じゃないよね。吾朗さんはこのクシャナのシーンを意識したはずです。
そう・・・あのね。クシャナがかっこいいのだ・・・(惚)
原作ではクシャナの生い立ちやその深い胸のうちが克明に描かれています。
切ないんです!!そして感動的なんです!!クシャナ殿下バンザイ!!
クシャナこそ理想的な上官。理想的な君主です。
クシャナの名シーン・名言は数え切れないほどあります。
特に好きなセリフをご紹介します。

「(自分のみつあみを切って投げながら)そななたちの無念忘れぬぞ!
うけとれ!たむけだ!!」<2巻62p>

「そなたたちの最期見届けた!!わたしから第3軍を奪い、
精兵を虚しく犬死にさせた者どもへのわが復讐を
バルハラ(戦士が憩うとされる天界)にて見守るがよい!!」<3巻74p>

「蟲が来たあの時、仇のひとりが眼の前であっけなく死んだ。
そいつを殺すために生きてきたのに・・・・・・。
私は空虚だった。まわりの惨状も目に入らぬほど。
ただ部下たちの体温が無性に悲しかった。
いつの間にか私はナウシカのいうとおりにしていた。
憎しみと恐怖をすてれば蟲は襲って来ないという。
蟲の群が去ってはじめて気がついた。私はずっと歌っていたのだ。
それもなんと子守歌を!!
そなた達の姫君の謎がすこし解けたようだ。だが二度と私にはできぬ。
いや真似たくもない。猛々しい怒りを燃やしつつ侮蔑と憎悪ではなく
・・・・・・・・悲しむなど。」<5巻54p、55p>

あと、登場人物たちがクシャナに語りかけるシーンで感動するところも
かなりあります。たとえば・・・ユパ様が死ぬまぎわに
クシャナにささやくシーンです。

「・・・・クシャナ・・・・
血は・・血はむしろそなたを清めた・・・・
王道こそそなたにふさわしい・・・・・・・・。」<7巻82p、83p>

あと、そのすぐ後でチククという少年がクシャナに、

「クシャナのこともナウシカが教えてくれた。
クシャナは深く傷ついた鳥だといった。
本当は心の広い大きな翼をもつやさしい鳥だって・・・・
チククとクシャナ友達になろう」<7巻84p>

って言うシーンも好きです。泣・け・ま・す・・・(号泣)

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そんなこんなで語りだすと止まらないです。チククをはじめ、
映画には登場しなかったいろんなキャラクターも登場しますよv

とにかく、Wikipediaにも書いてあるとおり、ナウシカは救世主であることを
否定し、人類救済への道を自ら破壊します。
腐海も、王蟲も、巨神兵も・・・英知を極めた人間たちが
滅びるときにつくりだしたものであり、
世界を清浄にするためのシステムだった・・・?(←未だによく理解できてない)
シュワの墓所にあるすべてを破壊し、いばらの道を選択したナウシカ・・・
一体その後どうなったのだろうか・・・。
汚れた地でしか生きられない呪われた人類たちが行き着く運命は・・・?

とにかく難しいですが、感動超大作です。
かなり色々なことを考えさせられます。


10数日にわたってお送りしてきたジブリレビューですが、
これにて終了です。取り上げていない作品が何作かありますし、
はっきりいって全然語りつくせていませんが、
もうこれでおしまいにしときます(笑)

駿さんはすでに次回作に取り掛かっている・・・という噂を聞きました。
期待しています・・・が、最近のジブリ作品には苦言を呈せざるを得ません。
偉そうに言える義理ではありませんが、ナウシカやラピュタやトトロや
もののけはもはや「伝説」になってしまっていますよね・・・。
いまいちど・・・あのころのクオリティにも匹敵する作品が
ドカンと世に送り出されることを切に願っています。
posted by イオ at 16:59| Comment(4) | TrackBack(1) | スタジオジブリ関連 | 更新情報をチェックする

2006年08月16日

アニメ映画『風の谷のナウシカ』

ジブリレビュー第12弾は『風の谷のナウシカ』です。
この作品は厳密に言うと「ジブリ作品」ではないんですけどね。ええ。
ラピュタのレビューのときに書いたとおり、ナウシカはジブリ設立前の
作品なんです。・・・でもまあ、世間一般的にはナウシカからジブリの
歴史が始まった・・・みたいに認識されているので、
ここでもナウシカをジブリ作品として扱いたいと思います。

この『風の谷のナウシカ』は、宮崎駿さん本人の手によって描かれた漫画
が原作です。この原作漫画はアニメージュという雑誌に中断期間も含め、
1982年から1994年までの実に13年にもわたって連載された漫画です。
アニメ映画の『風の谷のナウシカ』は、
この原作本のわずか1巻から2巻途中までのストーリーを映画風に
かなりアレンジして制作されたものなんです。
ナウシカに原作本があることを知らない方ってけっこういますよね。
知っている人は絶対知っていますけどね。

・・・で、もう私はホントにほんとに本当に『風の谷のナウシカ』が
好きで好きで好きで好きで・・・・心の底からこの作品を愛しています。
と・に・か・く・・壮大な物語です。哲学です。思想です。
いやマジで原作本に至っては哲学書って言っていいと思います。
そんな状態なので、とてもとても1日では語りつくせないわけです。
はっきり言ってナウシカをテーマにして1年間ブログ書けるくらい
ナウシカは深いです・・・。
まぁ、そういう訳にもいかないので、今日はアニメ映画のナウシカを
語ろうと思います。次回原作本について語ります。ええ語りますとも。

kazenotani.JPG kazenotani2.JPG

映画『風の谷のナウシカ』は、1984年に公開された作品です。
・・・私は幼いころからナウシカを観て育ちました。
昔っから好きで、何回も何回も観ています。小学生のころに観るのと、
中学生になってから観るのとでは大きく印象が違ったのを覚えています。
さらにその後歳を重ねて観るたびに印象が違います。
それだけ深く味わいのある作品なんだと思います。

映画では、原作のストーリーに沿いながらも、原作とは異なっている
部分も多いです。なので、原作と映画はある種別モノだと思います。
原作はそれはそれは複雑で難解で深く深いものがたりなので、
おそらく映画化するにあたり、わかりやすいように、テンポ良く
ストーリーが展開するように、さらにエンターテインメント性を加える
ためにアレンジしたのだと思います。
例えば、「人間(科学技術)vs自然(蟲と腐海)」というわかりやすい
構図でものがたりを展開させている印象を受けますし、
登場する国や軍隊の数も減らされています。
そしてトルメキアのクシャナ殿下が、悪役的なかんじで描かれるに
とどまっています。(原作ではかなり優れた人物として描かれているんですっ!!)
そして「ナウシカ」も映画版ではかなり救世主的な描かれ方をしていますね。
原作では違います。原作はもっと複雑です。

そんなこんなで原作とは異なった作品として観てしまいますが、
それでもこの映画はすばらしい映画史に残る名作だと思います。
もう22年も前の作品なのに、まったく色あせない。
作画も美しく、なめらかでスピード感もあって・・・
ナウシカがメーヴェで颯爽と飛ぶシーン、王蟲の描写、崩れる巨神兵、
腐海の様子や蟲たちのデザイン・・・どれをとっても美しくって
迫力満点ですごいですよね。すごいです。・・・すごいです。

登場人物もステキです。どの人も好きです。
ナウシカには幼い頃すっごく憧れました。ナウシカになりたいと思ってました(笑)
そうそう・・・ナウシカがつけているピアスにかなり憧れて、
「大きくなったらピアスあけてナウシカと同じようなのするんだい!」
とか思っていました(笑)実際、大きくなってピアスあけましたが、
ナウシカがつけているようなデザインのピアスで普段使えそうなのって、
ありそうでないんですよねー。自分で石買って作ろうかな・・・笑。
あとテトが好きです・・・笑。ナウシカの肩に乗っているカワイイ奴です。
ラピュタにも出てきましたよねvかわいい・・・。
幼い頃は実際にこういう動物が存在するんだと思っていました(笑)
飼いたいよ~。テトォ~~(萌)
そんな感じでナウシカ大好きですが、今はクシャナのほうが好きです。
クシャナかっこいいーーーーーー!!!!!殿下バンザイ!!!
映画版でも十分かっこいいですが、原作ではもう惚れちゃいますよ。
原作ではクシャナ殿下はかなりすぐれた慈悲深い、
理想的な王として描かれています。ステキです。泣けます。

81821586_161.jpg nausika.jpg

ストーリー展開も映画らしくて良い感じですよねv
クライマックスへとむかってストーリーが進む様子は観ていて爽快です。
そして感動します。たまにナウシカの心の声とか、心の映像が流れるので、
原作を深く読んでいないとちょっとわかりづらい箇所がありますが、
結果として映画全体に良い雰囲気と深みを与えているんじゃないかな、
と思っています。「心の中の映像」で私が特に好きなシーンは、
トルメキアに捕えられたナウシカがコルベットに乗って移動している時に、
ペジテのアスベルがひとりで攻撃してきて、それをナウシカが
「やめてぇーー!!」って叫ぶシーンです。ほんの一瞬のシーンです。
あと、ナウシカがアスベルと共に腐海の底に落ちて気絶したときに、
ナウシカが自身の幼い頃の記憶を夢に見るのですが、
このシーンすっごく好きです。駿さんの鉛筆と水彩のタッチを
そのまま映像化したような実に美しいシーンです。

そしてやはり久石さんの音楽がすばらしい・・・・。
どの曲も独特でいて美しく、ナウシカの世界観にぴったりです。
「ラン・ランララ・ラン・ラン・ラン」っていう歌は有名ですよね。
この女の子の声、当時4歳だった久石さんのお嬢さんが歌っているらしいですよ。
あとラストに流れる「鳥の人」はもう・・・カンドーです。泣きますね。

そうそう。ナウシカ初心者(笑)の方は、ナウシカがペジテの飛行船から
飛び立つ時にはピンクっぽい赤い服を着ているのに、
いつのまにか青い服に変わっているのは何故?って聞いてくるんですよね。
これはね、よーく観ているとわかるのですが、子ども王蟲がおとりにされて
運ばれているのを酸の湖のほとりでナウシカが止めますよね。
そこでナウシカは子ども王蟲に寄り添って、子ども王蟲の青い体液を
浴びまくっているのです。その体液が服に染み込んで、
ピンクっぽい赤い服→深い青い色の服
になるんです。これはかなり重要な意味を持つんです。
特に原作においては「王蟲の体液で染まった青い服」っていうのが
本当に重要な基本設定になっています。

そんなこんなで語りだすと止まらなくなっちゃいますが・・・
とにかく映画『風の谷のナウシカ』が伝えたかったことは・・・
「自然を大切に」だと解釈して良いと思います。
いや本当はもっともっともっともっともっと深いものがたりなのですが、
原作とは別モノだし、映画で一般の観客に伝わるのはおそらく
「いたわりと友愛を大切に。自然を大切に。私たちは自然の一部なんだからね。」
っていう思想だと思います。

この作品が持つ意味は、年月が経てば経つほど世界にずーんと響くでしょうね。
1984年から22年経っていますが、我々はこの作品の意図に反して
どんどん世界をめちゃくちゃにしていますからねぇ。
人間自身もめちゃくちゃになっているよね。
はっきり言って、「火の7日間」が来るのはそう遠くない現実だと思います。

ナウシカのような世界が来るよ。いつか必ず。

posted by イオ at 14:48| Comment(0) | TrackBack(0) | スタジオジブリ関連 | 更新情報をチェックする

2006年08月15日

『もののけ姫』

ジブリレビュー第11弾は『もののけ姫』です。
この作品も大好きです。本当に好きです。
公開当時、映画館に2回も観に行った記憶があります(笑)
この作品は構想16年、製作期間3年というかつてないスケールで
描かれた大作です。壮大で厳かで迫力もあって美しい・・・
そしてとっても考えさせられる作品だと思います。

DVC00054.JPG mononoke.JPG

この作品は、エンターテインメント性もありますが、ラピュタとかと
比べると、とても真面目でシリアスなつくりをしていますよね。
でもって、「人間vs自然(もののけ)」という意外とわかりやすい
構図でもってストーリーが展開してゆきます。
その間をさまようのが、人間だけど山犬に育てられたサン(もののけ姫)
ってわけですよね。うんうん。
そしてタタリ神を射抜いたことにより呪いを受けたアシタカと出会い、
交流し、葛藤する。そんな中で、物語はエボシ率いる神殺しを企む人間たち
と自然(もののけ)たちとの全面対決になる・・・。

この作品はたしか国内外でかなりヒットしましたよね。
それだけ深く壮大な作品なんでしょうね。とにかく考えさせられます。
自然とか森とか・・・そして人間の暮らしに関してとか。
とくに、シシ神の森の様子は美しくて荘厳で、日本古来の深くおごそかな
深緑の雰囲気を想起させられます。
シシ神も不思議な描写をされていてかなり印象に残っています。
水の上を歩くシシ神・・・そしてデイダラボッチになるシシ神がまた
美しくって美しくって・・・。スクリーンで観たときは感動しましたよ。
特にクライマックスでシシ神がデイダラボッチに変化するシーンは圧巻。
そのあとエボシに銃で撃たれて、ドロドロしたものがシシ神から
爆発するシーンもかなり印象深い、迫力あるシーンだと思います。
本当にアニメーション技術が高いんだなって感心させられますよね。

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そしてね・・・この映画の音楽がこれまたすばらしいと思います。
久石さんって本当にすごい。
私が特に好きなのは、サウンドトラックに書いてある曲名で言うと、
「アシタカせっ記」「旅立ちー西へー」「アシタカとサン」の3曲ですv
その中でも特に「アシタカせっ記」は心にずーんと響きますね。
日本人の心に訴えかける音楽だと思います。
ちなみに「アシタカせっ記」はオープニング、エンディングに流れる曲で、
「旅立ちー西へー」はアシタカが自分の村を離れて
ヤックルと西へ旅立つときの曲、「アシタカとサン」は、ラストシーンで
荒れ果てた土地に草がはえて森が美しく広がるシーン、アシタカとサンが
二人寄り添って語らうシーンに流れる曲です。
じつに美しい曲です・・・(うっとり)

で、キャラクターについてですが、まぁ当然ひとりひとりのキャラが
生き生きと描かれているのですが、どの人も勇ましいですよね。
アシタカも、サンも。エボシ御前もモロも・・・ジコ坊もおトキさんも。
そんでもってかなり女性が強いですよね(笑)これはすごくステキなことですね~。
しかも、「アシタカ」というなんだかすごく強い青年が存在することよって、
女性が強く描かれすぎていてもきちんと均衡がとれているような
印象を受けます。これは良い描かれかたなんじゃないかな・・・
って思っています。
・・・ちなみに・・・エボシ御前大好きです(笑)かっこよすぎる!!
「みな!よく見届けよ・・・神殺しがいかなるものか」っていう
クライマックスシーンのセリフにシビれました。
こんな人が上司や先輩だったら良いのにな・・・なんて思ってしまいます。
エボシ御前は人間代表的な感じで、やや悪役寄りな登場人物ですが、
とっても優れた人物であり、聡明な女性ですよね。
でもなんだかんだでシシ神を殺してしまいますが、きっとエボシ御前は
その後良い村を再建したことでしょう・・・。うんうん。

アシタカはとにかく真面目で実直な青年ですね~。ものすごい怪力だし(笑)
呪いを受けてからのアシタカ、好きです。
ところで、瀕死の深手を負ったアシタカの傷をシシ神が治してくれますよね?
でも、呪いは解いてくれなかった・・・それはなぜか。なぜでしょう。
・・・この作品には考えなきゃいけないことがたくさんありますな。

moro.JPG ebosi.JPG

そうそう・・・この作品で唯一気に入らないことがあります・・・。
そ・れ・は・・・「サンの声」です・・・!!!!
石田ゆり子の声が・・・下手!!合ってない!!緊張感がない!!!!!
って私は思うんです・・・。別に石田ゆり子嫌いじゃないですが、
この配役は完全なるミスキャストだと思います。だめだめだめ。
・・・なんで石田ゆり子にしたんだろ・・・。
他に適役の人が大勢いただろうに・・・・・。
私はこのサンの声がどうぉ~~~しても好きになれません。
・・・ちなみに、アシタカの声は「風の谷のナウシカ」のアスベルの人です。
トキさんの声は、ナウシカの声の人です。

でもその1点を除けばホントにすばらしい大作ですよね。
そして・・すごく排他的な意見かもしれませんが、この作品は、
日本人じゃないと深いところまで理解できない作品だと思っています。
アメリカでもそこそこ人気があったらしいですが、
この作品の持つ深淵にたどり着けるのは日本人だけです。

ラストシーンで、シシ神によって滅ぼされた森が復活しますが、
これはもう本当の森ではないんですね。
一見めでたく終わっているように感じるラストシーンですが、
これは全然めでたい結末ではありません。

それを含めて、21世紀の今であるからこそ
この作品を深く読み解かねばなりませんね。うんうん。



posted by イオ at 13:27| Comment(2) | TrackBack(0) | スタジオジブリ関連 | 更新情報をチェックする
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