今日は原作漫画の『風の谷のナウシカ』について語りますぜよ。
この原作漫画はアニメージュで1982年から1994年まで
掲載された作品です。とにかく壮大なストーリーが展開されており、
様々な人によって読まれ、読み解かれ、考察され、研究されている物語です。
コアなファンが多く、10代の若者から年輩の専門家に至るまで・・・
そのファン層はかなり幅広いものになっているみたいですよ。ええ。
↑これが原作本です。徳間書店から全7巻まで出ています。
愛蔵版みたいなのもあるみたいです。
・・・とにかくこの本は・・・すごんですよ・・・。
私のような者が語るなんておそれ多い作品です。でも語りますけどね(笑)
まずあらすじ・・・あらすじ・・・って言っても・・・
あの壮大な作品を私の文章力で簡潔にまとめるなんて出来ない・・・。
なので、ネットの百科事典Wikipediaから文章を拝借してきました。
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漫画の全7巻分のうち、映画版ナウシカに対応するのは
その1巻目から2巻目の途中までに過ぎず、内容もかなり異なる。
最大の違いは、大国トルメキアと対立する土鬼諸侯連合(ドルク)が
映画には登場しない点である。大国同士の不毛な戦争に主人公たちや
さまざまな立場の民族が巻き込まれ、人間が飽きることなく滅びの道を
歩むストーリーが漫画の骨子であり、これの無い映画版は全くの別もの
と見ることもできる。また映画版では主人公が
救世主的キャラクターとして描かれるが、漫画版では救世主であること
を否定する展開を見せ、物語の結末では
前文明が残した「救世のシステム」を破壊するという驚くべき選択を
おこなった。連載終了後、主人公ナウシカの最後の行動の
是非を巡る議論がおこり、今に至るも決着を見ていない。
このように、物語後半で自然と科学技術という単純な二項対立の構図が
変化するなど、物語のテーマが大きく変わっていった背景には、
ソ連崩壊に伴う東西冷戦終結など実際の時代背景が
大きく変化していった影響が大きいことを宮崎本人が
当時のインタビューで明かしている。
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・・・・こんな感じです。はい。
いやいやこれだけじゃまだまだ説明不足ですが、全部こまかく説明なんて
したらそれこそ1年はかかります。
なので一体どうやってこの作品を語っていいものやら・・・。
とりあえず私が言いたいことをバーっと書きます。
この原作本に出会ったのは中学生のときでした。
買って以来何回も何回も読んでいますが、未だに読み解けていません。
でもやはり歳を重ね、読み返すごとに徐々に理解してきましたけどね。
初めて読んだときの率直な感想は、
「へ!?あの映画版ナウシカの後にこんな壮大な物語が続いていたのかよ!!」
って感じでした。そして「む・・・難しいなコレ・・」とも思いました。
原作ではより深くナウシカの生い立ちやその心情が描かれ、
腐海や蟲たちが担っているもの、世界の秘密、自分たち人間の残酷な真実
などが克明に描きあげられています。
でもってこの漫画は、「ペンと紙だけで描きました!!」っていうかんじの
漫画なんです。トーンなどはほとんど使わず、陰影もペンで付けていて、
相当な画力がないと描けない漫画です。・・・っていうか、
宮崎駿さんってすごい画力の持ち主ですよね。人物の動きとか、
建造物や飛行船の描きかたなどが秀逸しています。そこで気になったので、
宮崎駿さんの学歴を調べてみたら、学習院大学政経学部出身だそうです。
・・・全然絵と関係ないのね(笑)
そしてこの原作はかなりグロいシーンがたくさんあります。
『ゲド戦記』のグロいシーンはきっとナウシカの原作から拝借した描写
なのかな・・・って思わされます。
さらに、クシャナが原作のなかで蟲に殺されそうになったとき、
「お前が私の死か」<4巻83p>って言うんです。
これって、『ゲド戦記』でアレンが一番最初に発するセリフとほぼ同じなんです。
これは偶然じゃないよね。吾朗さんはこのクシャナのシーンを意識したはずです。
そう・・・あのね。クシャナがかっこいいのだ・・・(惚)
原作ではクシャナの生い立ちやその深い胸のうちが克明に描かれています。
切ないんです!!そして感動的なんです!!クシャナ殿下バンザイ!!
クシャナこそ理想的な上官。理想的な君主です。
クシャナの名シーン・名言は数え切れないほどあります。
特に好きなセリフをご紹介します。
「(自分のみつあみを切って投げながら)そななたちの無念忘れぬぞ!
うけとれ!たむけだ!!」<2巻62p>
「そなたたちの最期見届けた!!わたしから第3軍を奪い、
精兵を虚しく犬死にさせた者どもへのわが復讐を
バルハラ(戦士が憩うとされる天界)にて見守るがよい!!」<3巻74p>
「蟲が来たあの時、仇のひとりが眼の前であっけなく死んだ。
そいつを殺すために生きてきたのに・・・・・・。
私は空虚だった。まわりの惨状も目に入らぬほど。
ただ部下たちの体温が無性に悲しかった。
いつの間にか私はナウシカのいうとおりにしていた。
憎しみと恐怖をすてれば蟲は襲って来ないという。
蟲の群が去ってはじめて気がついた。私はずっと歌っていたのだ。
それもなんと子守歌を!!
そなた達の姫君の謎がすこし解けたようだ。だが二度と私にはできぬ。
いや真似たくもない。猛々しい怒りを燃やしつつ侮蔑と憎悪ではなく
・・・・・・・・悲しむなど。」<5巻54p、55p>
あと、登場人物たちがクシャナに語りかけるシーンで感動するところも
かなりあります。たとえば・・・ユパ様が死ぬまぎわに
クシャナにささやくシーンです。
「・・・・クシャナ・・・・
血は・・血はむしろそなたを清めた・・・・
王道こそそなたにふさわしい・・・・・・・・。」<7巻82p、83p>
あと、そのすぐ後でチククという少年がクシャナに、
「クシャナのこともナウシカが教えてくれた。
クシャナは深く傷ついた鳥だといった。
本当は心の広い大きな翼をもつやさしい鳥だって・・・・
チククとクシャナ友達になろう」<7巻84p>
って言うシーンも好きです。泣・け・ま・す・・・(号泣)
そんなこんなで語りだすと止まらないです。チククをはじめ、
映画には登場しなかったいろんなキャラクターも登場しますよv
とにかく、Wikipediaにも書いてあるとおり、ナウシカは救世主であることを
否定し、人類救済への道を自ら破壊します。
腐海も、王蟲も、巨神兵も・・・英知を極めた人間たちが
滅びるときにつくりだしたものであり、
世界を清浄にするためのシステムだった・・・?(←未だによく理解できてない)
シュワの墓所にあるすべてを破壊し、いばらの道を選択したナウシカ・・・
一体その後どうなったのだろうか・・・。
汚れた地でしか生きられない呪われた人類たちが行き着く運命は・・・?
とにかく難しいですが、感動超大作です。
かなり色々なことを考えさせられます。
10数日にわたってお送りしてきたジブリレビューですが、
これにて終了です。取り上げていない作品が何作かありますし、
はっきりいって全然語りつくせていませんが、
もうこれでおしまいにしときます(笑)
駿さんはすでに次回作に取り掛かっている・・・という噂を聞きました。
期待しています・・・が、最近のジブリ作品には苦言を呈せざるを得ません。
偉そうに言える義理ではありませんが、ナウシカやラピュタやトトロや
もののけはもはや「伝説」になってしまっていますよね・・・。
いまいちど・・・あのころのクオリティにも匹敵する作品が
ドカンと世に送り出されることを切に願っています。